どこかの世界の、どこかの海に浮かぶ大きな島。
その島自体が一つの街。
広大な海にぽつんと一つだけ浮かぶその街は、夕暮れに海とともにオレンジ色に染まることから、いつしか
橙―だいだい―
と呼ばれるようになった。
橙には、人間、鬼、半妖など、多くの者が暮らしている。
住人たちは、それぞれの生活を送り、物語を紡いでゆく。
命の終わりまで、世界のおわりまで、街が沈む、その時まで
私の頭
私の心
誰かの街